小学生がWiiUを遊ぶのはこんな感じ? ヨーロッパ企画の「アダムちゃん」でタイムトリップ

任天堂発、ゲームのあるリビングの物語

2014年12月25日、つまりは去年のクリスマス、

任天堂ホームページに「アダムちゃん」というアニメーション作品が突然登場しました。


アダムちゃん ~宇宙人が京都にホームステイ~ 第1話「はじめての出会い」 - YouTube

再生数は6万再生くらい。任天堂が直接プロモーションしている動画にしては、少ない方なのかなと思います。(あまり宣伝しているところを見かけませんから…。)

制作はヨーロッパ企画という劇団で、作品はすべて紙人形劇の形式。セットは恐らくどこかの家のリビングです。

京都に住む主人公のキョウスケと、妙にリアルな温度感のある両親と姉の4人家族のもとに、

地球を侵略しに来た宇宙人の女の子「アダムちゃん」とその部下二人が、なぜかホームステイして家族に落ち着いてしまうというストーリー。

Webサイトのディスクリプションには「小学生の男の子と、宇宙人のお姫様の、こころのふれあいを、Wii Uがつむぐ物語。」とあって、

こういうゲームのスピリットを伝える作品を、任天堂自ら作るというのは良いなと思っていました。

作品を観てしまえばなんのことは無くて、ちょっと特殊な設定で味付けをしているものの、「ゲームのある家庭」の雰囲気をありありと感じさせるだけのもの。

プレイヤーに対する茶々の入れ方などがとても上手で、あの「子供のころリビングに集まって友達とゲームした感じ」が蘇るような作品になっています。

あのちょっとグダグダした感じとか、他人のプレーぶりをいじってみたり、好プレーの時は急に一体感が出たり。

収録中のはずなのに、やたらとリラックスしたゲーム体験をみごとに再現出来ていて、視聴者がその場に居合わせているような嬉しさがあります。

(たぶん、劇団員さんたちがゲーマーで、その実体験が生きているのではないでしょうか。)

WiiUの最新ゲームと、旧き良き空気感のコラボ

わたしは1992年生まれのスーファミ・64世代なので、WiiUを小中学生の時分に遊んだことはありません。

でも、グラフィックやデバイスが進化した今でも、ゲーム機を囲めば、同じようなやり取りや空気が生まれるんだろうなとこの作品を観て感じます。

Miiスタジオ」「マリオカート8」「マリオパーティ10」「スマブラ for WiiU」「スーパーマリオメーカー」と、タイトルこそ新作ソフト揃いですが、

ゲーム好きな男の子であるキョウスケの、自分でコントローラを持つと無言でのめり込む感じとか、

ゲームが上手じゃない女の子であるアダムちゃんのちょっとわがままな感じとか、ナッガーノのいじりがいのあるキャラ性とか、自分のことでなくても懐かしめる要素が満載。

ゲームってこういうもんだったなぁと思いだすのに、もう家族と離れて暮らしていたり、

一緒に気軽にゲームで遊べる友達も少なくなってきたという方こそ、観てみるべき映像作品だと思います。