Splatoonの「やられた!」に見る、リスポーン待機の設計思想

スプラシューターにやられた!

Splatoonを始めたユーザーが、最初のナワバリバトルで(まず間違いなく)目にすることになるのが、

「○○にやられた!」というあのフキダシのUIです。


スプラトゥーン実況!フェス「愛VS金」.96ガロンにやられた!真ん中取られるとやばいな☆フェスマッチ2015年10月31日☆ランク50なおきち広島弁ゲーム実況splatoon

ちょっと「突然の死」っぽくもあり、Webが好きな方に馴染みやすいデザインかもしれません。(そういうネタ、もうあるかも。)

フキダシ上部のブキ、インク、イカが並ぶイラストも可愛らしいですね。

このUIはすべてのユーザー、とりわけ初心者に親切なものになっていて、

「どうやってあなたがやられたか」を伝えるバトルのフィードバックになっています。

そしてこれが、ゲームデザイン上ものすごく効果的。

  • 自分を倒したブキの名前とルックスが分かり、ゲームの全体像が早く掴みやすくなる
  • 「次は同じブキにやられないように」すぐ振る舞うことが出来るので、立ち回り改善のサイクルが早まる

月に何十時間も遊べないというライトユーザーが大多数のSplatoonでは、少ない時間で上達できるというのはとても重要です。

限られた経験の中で都度フィードバックすることの重要性は、他のFPS、TPSより高いのでしょう。

間接的に、Splatoonのユーザースキルを高める一助になっているのではないかなと思います。

有名FPSのリスポーン待ちUIを見てみる

Splatoonはシューターの一つであり、既存のFPS、TPSのインタフェースを真似て作られた部分が多々あるはずです。

そこで、この「やられた!」UIが、敷居を低くするためのオリジナルの努力なのかを調べるため、

有名なFPSの作品について、リスポーン待ちのUIを調査してみました。

※ 以下の動画では残虐、グロテスクな表現が出てきますので、苦手な方はご注意ください。18禁のゲームも含まれるみたいです。

CoDMW3 コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア3


NEW "MODERN WARFARE 3" Multiplayer Gameplay! - (Call of Duty MW3 Gameplay Online)

1:40のところで「Killed by…」というUIが表示されます。

うう、しかしゲームそのものの知識が全く無いので何の情報が提供されているかすら自信がない。

たぶん倒したプレイヤー名と、所属みたいなものが出ているのかな?

一見したところ、武器の情報はなさそうです。

BATTLEFIELD 4


BATTLEFIELD 4 Multiplayer Gameplay - SNIPING, FLOOD ZONE & MORE! (BF4 Online PC 1080p)

2:56のところで「Killed by…」というUIが表示されます。

だいぶ充実した情報が見られるようで、自分を倒した敵の名前、HEALTH(体力)、武器や装備品などが分かります。

いっぱい情報が出てくる分、短い時間で確認できるようになるまで慣れが必要かもしれませんね。

HALO4


【字幕プレイ】HALO4オンライン対戦! Part01 - Infinityスレイヤー

3:24のところでプレイヤーがやられてます。

しかし、床にゴロリと倒れたプレイヤーが映し出されるだけで、特に有益な情報は出てこない模様。

関係ないですが、この実況動画自体が面白くて、やってみたくなりますね。

Counter-Strike online


Counter-Strike Online Gameplay - First Look HD

4:48のところでプレイヤーがやられてます。

こちらも倒した敵に関しての情報はないですが、リスポーンの度に武器を持ち替えることが出来るらしく、何やら武器を選ぶ画面が表示されています。

まとめ - 「ブキの種類」を強調するやられUIは珍しい

たった4つの事例からまとめに入るのもどうかと思いますが、いくつか収穫がありました。

  • やられた際のインタフェースに決定版は無い
  • 多くのゲームでは、「自分を倒した武器」より「自分を倒したプレイヤーの名前」を強調する

ふたつ目の事実が、Splatoonの特殊性を表していると思います。

すなわち、プレイヤー名も見ることは出来るが、それより遥かに目立つ形で「ブキ」を強調している点ですね。

そこには、ゲームデザインとUI設計上の思想が隠されていそうです。

  • プレイヤー名をあまり強調しないことで、特定のプレイヤーに対する怨恨を持ちにくくする
  • 「このヒトにやられた」ではなく「このブキにやられた」と思わせることで、「やられる体験」に再現性を持たせ学習を促進する

「やられた」後に、倒したプレイヤーを大写しにするのも、機能的な理由がありそうです。

  • 自分を倒したのがどんなブキか、イラストだけでは分からない特徴まで知ることが出来る
  • 敵の行動をモニターすることで、リスポーン後の自分の行動を決める(ある程度以上の実力者の場合)

この設計を煽りに悪用するユーザーがいるのは残念ですけれど。

以上、TPSとしてのSplatoonの、リスポーンにおける特徴をまとめてみました。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

わたしは他のFPS、TPSをやらないので、内容は甚だ不十分かと思われます。

「ここの内容が間違ってる」「このゲームを取り上げるべき」「このゲームのUIはSplatoonに似てる」などのご意見をお待ちしております。

おまけ - 海外版の「やられた!」UI

Splatoonの英語版では、「やられた!」という台詞は「Splatted!」と翻訳されています。


Splatoon - Gameplay Walkthrough Part 166 - Splatfest: Team Naughty! (Nintendo Wii U)

実況者の方が上手なため、なかなか「やられ」ないのですが、12:10のところで見ることが出来ます。

なお、上記の動画は海外の「よい子(Good Boys) vs わるい子(Bad Boys)」フェスのものです。

サムネイルの「わるい子」イカのイラストがたまらなく可愛いですね。