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Splatoonのダイバーシティ ガチマッチとレギュラーマッチの二元論

全てのユーザーに出逢いうる場所

「Splatoon」の名前は、子どもや20代くらいの年齢層の方であれば知らない人の方が少ないという程になりました。

でも、オンラインゲームとしてのマッチング方式までご存じの方は、プレイヤーでなければ多くはないと思います。

Splatoonは「誰と」遊ぶかがゲームの体験を決定づける協力対戦ゲームですから、マッチングをどう設計するかはキモであり、

これだけ多くのユーザーに支持されるゲームだということは、学び取るべき何かがそこにあると思って間違いはないでしょう。

この記事はSplatoon未経験者の方にも読んでいただきたいと考えていますので、

まずは「レギュラーマッチ」と「ガチマッチ」という、遊びの骨子をつくる二つのマッチングとルールについて説明したいと思います。

Splatoonユーザーの方には説明不要ですが、オンライン対戦のロビーである「イカスツリー」に入ると、

基本的にはふたつのモードから選択して遊ぶ内容を決めることになります。

マッチング 説明 制限 マッチング方式
レギュラーマッチ チームが塗った面積を競う「ナワバリバトル」で対戦する なし すべてのユーザーからマッチング
ガチマッチ 時間帯によって決められたルールで遊ぶ ランク10以上のプレイヤー(5時間程度のプレイで解禁) 同程度のウデマエのプレイヤー同士でマッチング

CMでもおなじみですが、Splatoonは「塗って競う遊び」であり、倒した・倒された回数が直接、勝敗を決定しないことがユニークなところです。

その醍醐味を存分に味わうモードとして、「レギュラーマッチ」が用意されています。

「ガチマッチ」は時間帯によって提供されているルールが異なり、さらに3つに区分されます。

ルール 説明
ガチエリア ステージ内に存在する「ガチエリア」をより長時間確保したチームの勝利
ガチヤグラ 上に乗ると敵陣のゴールに向けて動き出す「ガチヤグラ」をよりゴールに近づけたチームの勝利
ガチホコ シャチホコのような「ガチホコ」を取得して、より敵陣のゴールに近づけたチームの勝利

これらのルールではエリア、ヤグラ、ガチホコといった重要なオブジェクトが明確なため、必然的にプレイヤー同士の衝突が多く起こり、たくさんの血(インク)が流れます。

一見すると、「レギュラーマッチ」の方は初心者向け、「ガチマッチ」の方は上級者向けと括れそうですが、そう区別するには早計でして、

何がSplatoonのマッチングシステムのポイントかを知るために、それぞれのマッチングの特徴を抑えていくことにしましょう。

レギュラーマッチのマッチング

Splatoonは4VS4の対戦ゲームですので、バトルのたびに8人のプレイヤーを募ることになります。

レギュラーマッチのマッチング方法は以下の通りです。(一部、わたしの推測)

  1. プレイヤーの参加希望を受け付けたら、ユーザー募集中の部屋に割り当てる
  2. 部屋にプレイヤーが8人集まった時点で募集を打ち切る
  3. 集まった8人を、ランダムに4人と4人に分ける
  4. バトル開始!
  5. バトル終了後、継続してプレイするユーザーはマッチングに残り、欠員が出たら新規の参加希望ユーザーで補充する

継続してプレイするユーザーの割合は場合によってまちまちですが、5人や6人居残ることはざらですので、

その場合はおおむね同じメンバーで、1戦ごとランダムに敵味方を入れ替えながら戦うことになります。

一期一会のユーザーと、敵になったり味方になったりしながら遊べるのが楽しいところです。

「サーバーが一つ」であることの功罪

Splatoonではオンラインゲームによくある、実力や地域によってサーバーを分けるといったことは行われていません。

このあと説明する「ガチマッチ」ではウデマエというレベル帯によってプレイヤーを格付けし、近いレベルのプレイヤー同士がマッチしやすいようになっていますが、

一方、レギュラーマッチのマッチングは完全にランダムで、今日Splatoonをはじめたばかりのユーザーと、トップクラスのウデマエを持ったユーザーが同じ部屋に属することがあり得るようになっています。

※ これは誤りでした。レギュラーマッチのマッチング方式については、「プレイスタイルの近いプレイヤー同士がマッチングしやすいように」出来ているそうです。(12/21加筆)

それによって、レギュラーマッチには独特のダイバーシティが生まれていると考えられます。

この点はあとで詳述しますので、次はガチマッチの説明に行ってみましょう。

ガチマッチのマッチング

ガチマッチもレギュラーマッチ同様、4VS4の対戦ゲームですので、バトルのたびに8人のプレイヤーを募ります。

基本的な流れはレギュラーマッチと同様ですが、

ガチマッチの戦績によって上下するランクC-からS+、11段階の「ウデマエ」が近いプレイヤー同士がマッチしやすいよう設計されています。

こちらの方がゲーマーには「好ましい」マッチングのようにも見えるでしょう。実際ルール面からもひりつく遊びが実現するよう工夫されています。

  • ルール上、プレイヤーの衝突が多くキル/デス数が二桁であることはザラ(レギュラーマッチの倍程度)
  • 3分と時間が決められているレギュラーマッチと違い、ルールごとに「ノックアウト」が定められているため、気を抜くと即決着するというプレッシャーがある
  • ステージとルールの掛け算で39ものセッティングが存在。多様なシチュエーションが楽しめる

総体としてみた時の、Splatoonのマッチングデザイン

Splatoonはライトな印象があるかもしれませんが、わたしぐらいのユーザーにはとても底が見えないくらいには奥深く、

多様な戦局と状況判断、加えてシビアなアクションが楽しめるゲームです。

ウデマエの高いプレイヤーはブキ・ステージ・ギアパワー・基本アクションに関する膨大な知識とこだわり、これまでの経験を持っていますから、

それらを発揮して、ギリギリの闘いが出来る場所を求めるのは自然なことでしょう。

レギュラーマッチとガチマッチのふたつで考えるならば、自分と近いウデマエのユーザーが集うガチマッチの方が、希望に応えられるモードということになります。

一方のレギュラーマッチが、明確なレーティングのないマッチングを採用していることには、何か意味があるのでしょうか。

塗り合う遊びの自由性と、セカイと繋がる多様性

レギュラーマッチのナワバリバトルは、ガチマッチと比べても見劣りしないゲーム性を持っています。(わたしの個人的意見として。)

実際、日本一のユーザーを決めるため開催され、数か月に渡る予選で地方代表を選抜している「スプラトゥーン甲子園」は、ナワバリバトルのチーム戦です。

上手くなればなるほど、チームを有利にするような立ち回り方が発見でき、見ず知らずのチームメイトを勝利に導くヒーローのような存在になれることもあれば、

自分が4人チームのうちの1人でしかないというインパクトの小ささから、思うようにチームのパフォーマンスが上がらず悔しい敗戦を経験することもあります。

レギュラーマッチに同程度の実力のユーザー同士をマッチングするシステムを用意しなかったのは、まずはもちろん「ガチマッチありき」のことでしょう。

実力の近いユーザーとの目いっぱいの駆け引きを楽しめるモードを他に用意したことで、レギュラーマッチについては別の観点からの最適化が出来るようになりました。

その上で、すべてのユーザーと出逢える可能性があるという点を評価して、レギュラーマッチの仕様を決めたのだと思います。

そこで実現されるものは、「ビッチャビチャにインクを塗り合う」遊びとしてのSplatoonの上に展開される、

規模は世界的、年齢層はキッズから大人(大きいお友達)、またはお父さんお母さん(もしかするともっと上)という多様性です。

勝つことに、新しいブキを取り回せるようになることに真剣なユーザーがいる一方で、

まだ操作の全貌が分かっていなかったり、セオリーが見えておらず非効率なプレイをするユーザーもわんさかといます。

Splatoonという斬新な遊びを体験できる唯一の場のなかで最も多くの人が交錯する場所として、

自分でできるベストなプレイを展開しつつ、ダイバーシティから偶発的に生まれる3分間のドラマに期待したいところですね。

上記のツイートは偶然見つけたものですが、こういうの良いですよね。

直接顔の見えない相手なものですから、どうしても「自分と同じ」に考えがちですが、繋がった8人には多様な思惑・背景があるはずです。

  • ガチマッチでウデマエを上げるために、レギュラーマッチで新しいブキの練習をするプレイヤー
  • 白熱した駆け引きにちょっと疲れ、レギュラーマッチで息抜きをするプレイヤー
  • Splatoonの世界の何もかもがまだ新鮮で、レギュラーマッチを遊ぶのが楽しくてしょうがないプレイヤー
  • Wii UとSplatoonを揃えてリビングに置き、「日本人とマッチングした!怖い!」と盛り上がりながらプレイする海外プレイヤー 基本的に、自分のアクションに精一杯なので、あまり他のユーザーのことに気持ちがいかないものですが、

まったく違った背景をもったプレイヤーとの激突を最大限に生かしてみたいところです。

おまけ - 煽りイカへの対応

多様なユーザーの中には当然ながら、悪意のある者も少数います。

代表的なのは、ZLボタンを連打してイカとヒトの行き来をし、奇天烈な動きと雑音で煽ってくる「煽りイカ」です。(アオリちゃんと同音とかやめてくれよ…。と思いますが)

自分より上手いプレイヤーとか、いやらしい戦略を使ってくるプレイヤーがやってきたりするので、ちょっと嫌な気分になるプレイヤーが多いかと思います。

自分を撃破したユーザーを大写しにしてフィードバックにするという設計や、珠玉の効果音を悪用しているというところもヤなポイントですね。

対応という程でなく、何の解決にもならないかもしれませんが、わたしはあの音から宮沢賢治の『やまなし』を連想したり。

クラムボンというカプカプ笑うナゾの生物が登場する有名な小説ですが、煽りイカも「カプカプ」笑って聞こえるんですよね。(だからこそムカつくのですが)

クラムボン=イカという説が出てきたなというところで、煽りイカに対する気分のごまかしにしてみてはいかがでしょうか。

参考記事

siganaitohoho.hatenablog.jp