アクションゲームを一括りにするなかれ 遊ぶゲームに迷った時に役立つ指針

「挑戦」と「観賞」という二つのベクトル

アクションゲームを遊んでいて、「今日は調子悪いなぁ…」という時があります。

なかなか先へ進めなかったり、アクションが決まらなかったり、頻繁に休憩したくなったり、何となく面白くなかったり。

そんな時、わたしは「挑戦」と「観賞」という二つのベクトルでゲームの楽しさを切り分けて、

今自分が欲しているのはどっちなのかを考えて遊ぶゲームを変えることがあります。(一切放っぽり出して寝ちゃう時もありますが)

「挑戦」はもちろん、激しいアクションや頭脳戦を制してステージをクリアーしたり、勝利を目指すことを指します。

一方で、「アクションゲームを観賞する」というのはあまりピンと来ないでしょう。

その感覚は、ゲームの主人公がどんな存在なのか、ちょっと見方を変えることでうまく伝わるかもしれません。

キャラによる「体験の肩代わり」としてのアクション

言うまでもないことですが、アクションゲームのキャラはわたしたちに出来ないことを、わたしたちの指示によってやってくれます。

歩くこと、走ること、叩く・跳ぶ・撃つ・斬るといった特殊な動作や、人に話しかけたり、泳いだり、物を運んだり機械を操縦することまで。

そうした動きにプレイヤーは手ごたえを感じ、物語や状況が前進していくことに納得することが出来ます。

時にはキャラクターは時間をかけることで成長し、もっと多彩で刺激的なアクションを見せてくれるようになるでしょう。

冒険や成長というバーチャルな体験としてゲームを捉え、その構成要素としてアクションを位置づけるならば、

アクションゲームを遊ぶことはその世界を「観賞する」ということになる訳です。

いうなれば、キャラはわたしたちの行動を肩代わりしてくれる分身であり、

彼ら自身の行動・モーションや、彼らの周囲の環境が変わっていくこと、敵の出現や会話を楽しむものとして、

プレイヤーはその世界の主体であると同時に、傍観者でもあるという立場でゲームを遊ぶことになります。

パッケージされた世界観を存分に楽しむ

作り手が閉じ込めた世界は、精巧なオブジェクトや直情的な効果に満ちたグラフィック、

臨場感を高め感情を揺さぶるサウンドによってハイレベルに演出されており、観る人を楽しませてくれます。

ちょっと立ち止まって風景を眺めたり、クリアーとは関係ないことをやってみたりして、

その世界観を十分に楽しむのは誰しも経験があるでしょう。

こういう「作品世界を観賞する」という楽しみ方は、困難に挑戦することから独立したものとして捉えたほうが良さそうです。

そういう訳で、挑戦と観賞という二つの軸がアクションゲームにはあるというお話に繋がるのでした。

駆け引きのあるアクションゲームは元気なときに

そして、厳しい挑戦を強いるゲームほど、ひりつくような楽しさはあるものの、それを感じるのには遊び手側に条件があります。

眠いときや疲れているときは、刻々状況が動くような挑戦型のアクションゲームは控えたほうがよいこともあります。

わたしであれば、シューターの中では比較的ライトとされるSplatoonでさえ、一度に処理しなくてはならないことが多くしんどさを感じることがあります。

  • ボタン、スティック、ジャイロを使った精密なキャラクターの取り回し
  • 周辺の状況から直観する撃つ・投げる・塗る・逃げる・スーパージャンプするなどの判断
  • 敵4人と味方3人の状況と思惑
  • ゲームパッドのマップに表示された敵味方の勢力図

プレイヤーはこれらの要素を制しながら、勝利を目指すという挑戦の真っただ中にある訳です。

楽しんでいる時はすべてが調和して動いていきますが、列挙してみるとなかなか大変なことをやってますよね。

ナワバリバトルを制する、ガチマッチでランクを上げる、そんな挑戦がちょっとしんどいと思った時は、

見知らぬ新しいステージへと進みながら、じっくりと作品世界を観賞できる余裕があるアクションゲームを選ぶとよいかもしれません。

観る楽しみは思いがけず現れる

もちろん、挑戦と観賞は共存が不可能な概念ではなく、両方の要素が入れ替わり立ち代わり現れるゲームがほとんどです。

Splatoonにも、勝敗とは関係ない所で敵や味方のギアやブキや立ち回りを楽しんだり、

ナイス!の送り合いに連帯を感じたり、ゲーム中に表示されるMiiverse投稿に不意打ちを食らったりすることがあるのはご存じの通りです。

あくまで、遊ぶゲームに迷った時の便利な考え方として、活用してみてください。

まとめ

  • アクションゲームには「挑戦」と「観賞」という二つのベクトルがある
  • アツい挑戦の最中であるほど、観賞する遊びは成立しにくい
  • 気分や疲労の度合いによって、どちらの遊びが適しているか意識的に選ぶことが出来る

参考記事

kotodamar.hatenablog.com