Splatoonの空気感は戦争よりライフル射撃に近い 「銃と日常」から生まれる空気
銃器を持った女の子の魅力
2015年のモーニング51号に、新人漫画賞「THE GATE」の一色まこと賞受賞作として『定時退社でライフルシュート!』が掲載されています。
スポーツとしてのライフル射撃を題材にした読み切り漫画です。
以前、読み切り漫画を読み飛ばしがちという個人的傾向について書きましたが、
駅のホームで傘を銃に見立て構えた主人公マチコ(仕事は事務員)の扉絵が素晴らしくキャッチーで、本作は前後編あるものの一気読みしてしまいました。
程よくデフォルメの効いた魅力的な絵柄、身近だが独特のストーリー、生き生きとしたキャラなど、漫画としての魅力もさることながら、
わたし個人の感想として、TPSの「Splatoon」と近い雰囲気があるということが感じ取られました。
というのも、多くのFPS、TPSといったシューターは、「殺し合い」「戦争」をモチーフにしていることから、
もっと殺伐とした漫画、たとえばGANTZや攻殻機動隊のような作品と近いイメージがあります。
でも、Splatoonは「インクの塗り合い」という奇抜な設定に気を取られがちである一方、
「(イカたちの)趣味としてのシューター」、「好き好んで足を踏み入れる世界」という性質がありますから、その点でも一線を画しており、
むしろ『定時退社でライフルシュート!』のような作品にこそ、Splatoonに相通じる要素を見出せました。
- 銃器というマニアックな機器に対する興味を描いている
- 「ふつうの生活をする女性」と「銃」というミスマッチ感
- キャラクターの、内に秘めた反骨心や挑戦心
- あくまで日常の一部である
ついでに、不思議とキャラクターの印象も近いような気がして、
主人公が周囲と簡単には迎合せず、しかしポリシーや好奇心は人一倍持っているという性格の面で似ていますし、
顔立ちも、蒙古ひだの目立つツリ目顔であり、眉毛の形も似ているような…。
「精密射撃」と「乱戦」という違いはあるものの…
ライフルはSplatoonのブキで言えば「チャージャー」でしょう。
簡単には前線に飛びこまない落ち着いた立ち回りをしつつ長い射程でチームを後方からサポート。
敵の奇襲を読み、適切な位置取りを選び続けるセンスと射撃の正確さが物を言うブキです。
ライフル射撃とTPSとしてのSplatoonとでは、精密射撃か乱戦かという大きな違いはあるものの、
それでも少し似通った空気が作り出せることは発見でした。
Splatoonにおけるナワバリバトルのように、ライフル射撃が現実にファッションアイコンになることも、
必ずしも不自然ではないのかな?という妄想までしてしまいます。
Splatoonのイカ世界が、銃器(ブキ)を使ったスポーツが流行している世界であることは、
世界観を決める上で思ったより大きな影響を与えているのかもしれないですね。
おまけ - スポーツを作品にするなら、王道は部活
ときどきブログに上げているSplatoonの二次創作小説の中で、「Lesson of Inklings」というタマを用意しています。
「部活的ナワバリバトル指導」を題材にした、いつもよりキャラ多め&ちょっと長めの作品です。
そのうちアップロード予定なのでお楽しみに。