スプラトゥーンの食描写 海の幸、山の幸、ホントに食べて大丈夫か?
この記事は、「ハイカラシティ食探訪」の振り返り記事です。
未読の方、検索エンジンからいらした方は、この記事を読む前にぜひストーリーをご一読ください。
第8回フェスのテーマは「山の幸 vs 海の幸」
2015年11月13日のNintendo Directで、Splatoonの第8回フェスのお題が解禁されました。
佐賀県とコラボした「食べたいのはどっち? 山の幸 vs 海の幸」のフェス。(記事末尾におまけで勝率を記載しています)
「Sagakeen」という、コラと見紛うイベントロゴが話題になり、ゲームと自治体のコラボということで新聞やTVなどのメディアでも取り上げられているようです。
一部プレイヤーにとってフェスといえば、終了後に貰える「スーパーサザエ」がギアパワースロットに必要なため、
不足しがちなサザエを補給すべくガチで勝利を目指すイベント。
得票率の高い陣営は勝率に1/6(第7回時点)のウェイトで加算され有利になるため、既に「情報戦」が始まっているという噂もあります。
(ギアパワーのメリットに疎いわたしには無縁の話ですが…。)
でも今回のテーマ、世界観を揺るがしかねないアブない要素もはらんでいますよね。
「主人公はイカ!?」だけに…
第6回フェスでも無添くら寿司の協力で、「どっちが好き? イカ vs タコ」のテーマが取り上げられましたが、
「おいおいイカが主人公のゲームなのにイカ食っていいんか」というツッコミがWebやMiiverseで起こったり、
主人公のガールが「イカって食べられるものなの…」とショックを受けているMiiverse投稿がチラホラ見られました。
今回のテーマは「食べたいのはどっち? 山の幸 vs 海の幸」。
「イカ vs タコ」に比べれば少し距離を取った感がありますが…
スプラトゥーンにおいて、「食べる」直接描写は皆無
社会の息づかいがリアルで、「イカした少年少女たちの文化」をフィーチャーしたスプラトゥーンですが、不思議とものを食べる直接描写は一切出てきません。
衣食住のなかで、「食」の部分だけがスッポリ抜けているのです。(「住」の描写も希薄ですが、オープニングで主人公の住まいを見る事ができますね。)
ハイカラTVで「ここのフードコートのポテト、おいしいから食べ過ぎちゃう!」「あの量、見るたびにドン引きするわ…」などの台詞があるため、
(イカであるにも関わらず)人間と同じようなものを食べているという事が分かっているくらいです。
モチーフとして導入される食べ物、生き物
その一方で、キャラクターのネーミングや、アタマ、フク、クツ等のギアのネーミングにおいては、食べ物や生き物の名前が積極的に使われています。
シオカラーズは「アオリ」と「ホタル」ですし、ブイヤベースの売り子「ブキチ」「アネモ」「エチゼン」「ロブ」もそれぞれ生き物の名前からとられています。
ヒーローモードに登場する「アタリメ司令」、その宿敵「タコワサ将軍」、路地裏の露天商「ダウニー」。
OSTのSplatuneで明らかになった音楽ユニット「Squid Squad」のメンバーは「ICHIYA」「IKKAN」「NAMIDA」「MURASAKI」で、やはりイカやウニ由来。
ギアの色を表現する際には、「キャンバスHi モロヘイヤ/トマト」「オイスター/チョコクロッグ」「さくらエビポロ」など、近い色をした食べ物の名前で表現しています。
(心なしか、プレイヤーの皆さんの名前も食べ物をモチーフにしたものが多いような気がします。)
つまり、Splatoonにおいては食べ物は「食という原始的欲求の対象」というより、「より高次元の文化やファッション」という、奇妙なポジションを獲得しているのかもしれません。
どういう経緯かイカたちにとっては、「それを冠していることがカッコいい」という憧れの対象に昇華されている。
絶妙ななりたちの世界観ゆえ、食の取り扱いも一筋縄ではいかないようです。
あえて「食」をオーソドックスに取り上げるなら
「ハイカラシティ食探訪」はそういったデリケートな面に目をつぶって、
「イカちゃんたちって普段何食ってるんだろう?」という素朴な疑問をもとに出発しています。
イカ以外にも、先述のアネモ、エチゼン、ロブ、ダウニー、またモブとしてのクラゲたちが登場する世界ですから、
実世界にあるものを何でもかんでも食べていては大変なことになりそうです。
というわけで、「軟体世紀」の取り決めらしく、「海洋生物は食べてはいけない」というルールで取り締まっていることにしました。
(ジャッジくんが魚を食べている描写などがありますが、彼はきっと『見逃してもらっている』のです。)
一方の陸の生き物も、「ジャッジくんがこの世界唯一の哺乳類」という公式設定があるので、ウシやブタなどは存在せず、もちろん乳製品も食べられません。
ハイカラシティに小鳥がいたり、シオノメ油田にカモメが飛んでいることから、ニワトリは辛うじているかも?
あとは、野菜や果物を食べて過ごしているのでしょう。
これらの制約の中で、ストーリー冒頭のインタビュー内容を作ってあります。
インクリングたちにとって、フェスの二択は「お飾り」
結局「山の幸」も「海の幸」も、ハイカラシティにはあんまり無いことが分かってしまいました。(意地悪な内容でスミマセン)
プレイヤーは自分自身の経験に照らして二択を選びとりますが、世界観の中のインクリングたちには祭は祭であって、
そこで出される問というのはたぶん、形式的、儀式的(もしかすると、宗教的)なお飾りなのでしょう。
Splatuneのライナーノーツにおいて「フェスにおいてシオカラーズは巫女の立場」という衝撃的な内容の記述がありましたが、
シオカラーズもああ見えて、「カミ様」が決める儀式に身をささげる清い身分みたいですね。
ミステリーファイルの中でも垣間見えるように、イカの世界とヒトの世界は不思議な糸で繋がっているみたいです。
おまけ - 第8回フェスの結果
項目 | 山の幸 | 海の幸 |
---|---|---|
得票率 | 48% | 52% |
勝率 | 49% | 51% |
最終結果 | 342 | 358 |